三越日本橋本店は段階的に進めている30年ぶりの全館改装で24日、第1期部分をオープンした。各階にコンシェルジュと呼ぶ社員が常駐し、ブランドや商品、フロアの垣根を越えたもてなしとサービスの体制を整える。ワン・トゥ・ワンの接客をデジタル化した情報システムでサポートし、「一人ひとりのお客に最適な買い物体験の提供を目指す」(浅賀誠本店長)という。
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もてなしの拠点となるのが各階のパーソナルショッピングデスク。婦人服、紳士服、リビング、食品など7カテゴリーで、90人のコンシェルジュを配置する。豊富な販売経験、専門知識で顧客の様々な要望や悩みに対応する。接客サービスに専念するコンシェルジュだけでなく、本館1階の窓口となるガイド10人を配置するレセプション、自社販売員320人、取引先販売員4500人と連携し、全館で顧客へのもてなしを進化させる。
その土台となるのがデジタル化。顧客データと全館のコンテンツ、イベントの情報を一元化し、パーソナルな買い物体験の実現を目指す。これまで個々の販売員らが持っていた情報を共有し、コンシェルジュ、ガイド、販売員らが情報を活用し、顧客に対する最適な接客サービスにつなげる。
コンシェルジュによるパーソナルショッピングやイベントの予約ができるウェブサービスを始めており、顧客とのマッチングに結び付ける。様々なショップを回って欲しい商品が見つからないような事例をなくす。店舗スタッフはタブレット端末でフロア、全館の商品を把握して、店内外の様々な商品をまとめて紹介、スムーズな買い物を可能にする。「百貨店としての強みは人であり、デジタル化で働き方改革につなげる」(浅賀店長」という。
本館5階にはVIP専用のラウンジを新設した。既存のラウンジを含めて約1300平方メートルのゆったりとくつろげる場所を用意する。
第1期リモデルは化粧品、雑貨、特選を再編した。全館改装は19年度内に完了する。20年度の売上高は改装前に比べて100億円の増加を見込む。