ニューバランスジャパン 陳列減らし高効率化を推進 吉祥寺に新コンセプト路面店

2023/12/12 06:27 更新


各フロア中央に円形の「コミュニティサークル」を設置した

 ニューバランスジャパンは、商品の陳列数を従来より大幅に減らし、スタッフと客、または客同士のコミュニケーションを図りやすい店作りを進める。12月8日に新コンセプトを採用した初の路面店を東京・吉祥寺に開設。今後も同業態の出店を増やす。

 ニューバランス吉祥寺(店舗面積は453平方メートル)は2層構成で、各フロア中央に「コミュニティサークル」と呼ぶ円形の什器と椅子を設置した。試し履きなどをしながら接客や客同士のやり取りが自然に生まれる空間を作った。SKU(在庫最小管理単位)はシューズが145、アパレルが99、アクセサリーが74。既存店であるニューバランス原宿などと比べ、陳列数は約3割少ないが、同規模店舗より売り上げは増える見込みという。

 新たな店舗コンセプトは、米国や欧州、中国などにある約20の店で既に取り入れており、米ボストンの店では改装後に売り上げが1.5~2倍になるなど成果を上げている。

 日本でも「コンシューマーエクスペリエンスとサービスの向上を得られながら、販売効率が上がる」(久保田伸一社長)と判断し、本格採用を決定。24年以降、既に数店で導入を検討している。久保田社長は「小規模店舗での採用は難しいが、カテゴリー特化型など様々なタイプの店舗に応用が可能」と話す。

 同社の23年12月期業績は、アパレルなどが伸び、前期比20%近くの増収となる見通しだ。主力のスニーカーでは「996」や「574」などの定番品が堅調だったことに加え、「2002R」「550」「1906R」「530」などの新モデルが売れ、「複数のキーモデルが確立し、売れ筋の偏りが減った」(久保田社長)。



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