ニューエナジーからのメッセージ
豊かさとは何か、から始まった新しい場の創出。クリエイターの生み出す力、キュレーターによる演出、これらを支え、新たな可能性を育むデジタルの力を存分に体感して欲しい。
「ニューエナジーは真の目的の序章に過ぎない」
9月8日から4日間、メディアやマーケットイベント機能を併せ持つ新しい合同展示会「ニューエナジー」が、新宿住友ビル三角広場で開かれた。主催はブルーマーブル。プロデューサーの石塚杏梨氏をはじめ、長く合同展示会「ルームス」を手掛けてきたスタッフが独立、結成したチームだ。クリエイションもリアルとデジタルを融合させて発信する時代との考えで、ECベンダーのダイアモンドヘッド(以下DH、柴田幸一朗社長)のもと、ニューエナジーを立ち上げた。その構想と展望とは。
‥‥ニューエナジーとは
クリエイターの祭典です。クリエイターとお客様の橋渡しをし、共に豊かに生きるために必要な場を提供します。クリエイターを育むことも重要なテーマ。豊かさの価値が変わってきた今、買うことに対し“意味”を求める方が増えています。クリエイションは、そこに意味や新しい価値観を提示できる根源となる。この考え自体は、前職の頃から変わりません。ただ、新時代に応じたクリエイションと世の中をブリッジするには、ネットと境界なく、OMOとして繋がることが必要と感じていました。DHでの立ち上げとなったのは、柴田社長とその思想がガチっとはまったからです。
■コミュニケーションが早く、気軽に、密に
‥‥2月実施のゼロ展を経て、今回第1回の開催となった
DH発だからこその可能性に魅力を感じて下さった、新しい才能が集まりました。出展者は230社と倍増。特に、ウェブ3.0関連など、クリエイション×テクノロジーの領域での仲間が増えました。運営面では、自分たちだけでは数年かかったであろう出展・来場の管理システムの構築が、外部の連携先やDHの開発部門のサポートを得て4カ月で完成。会場での決済システム、ネットワーク環境も出展、来場者双方にご利用頂きやすい形にできたと思います。出展者の方々ともデジタルを介しコミュニケーションが早く、気軽に、密にできるようになりました。今回、パルコのクラウドファンディング「ブースター」と実施したオンライン受注の企画など、出展者向けに公募型企画を増やしたのですが、サイト上の“マイページ”に情報をアップし、参加したい方に手をあげて頂く形で募るなど、双方向でやり取りできることが増えています。
■クリエイター束ねるコミュニティサイトに
‥‥今後の展望は
今、ブルーマーブルのウェブサイトを製作中です。路地裏のクリエイターを束ね、メインストリームにしていくのが私たちの責務。そのためのコミュニティを作り、世の中に出していきたい。ニューエナジーは、その構想を達成するための一つの手段でしかありません。サイトでは情報発信をメインに据えながら、今後オンラインでクリエイターが講義をしたり、マイページで募ったように企業とクリエイターを繋ぐことも考えています。クリエイターも、例えば、素晴らしい真珠を育てる養殖業者だったり、創造的な視点で森に新しい価値を生み出す林業の方だったり、地球規模で、人が生きる上で面白い価値を持つ方たちを発掘したい。そして広く発信する場を作っていきたいですね。
祭典を彩ったニューエナジーの体現者たち
デジタルプリントの可能性広げる【OTS】
ファッション物流のオーティーエス(東京、田中優一郎社長)は、新しく始めたデジタルプリント事業「オー・パースペクティブ」を披露した。コーニット製の最新鋭デジタルプリンターを使い、顔料インクの強みを生かして小ロット・短納期で受注生産する。水を使わず環境に優しい方法で、小規模アパレルやクリエイターの表現の多様化をサポートする。
「新しいことにチャレンジしているアパレルやクリエイターとの出会いを広げたい」(田中社長)と出展。本業の物流でもデザイナーや中小アパレルといった取引先が多く、クリエイターのインキュベーション機能がある同展との親和性は高く、継続出展も考えている。
「みんなが集う公園」のように【Caboneu】
「カボニューは、環境によいアクションが集まる公園のような場だ。生活者や企業が行動変容を起こすきっかけを作る。そんなファンコミュニティにしたい」とプロジェクトマネージャーの中村幸弘氏。ブースはカボニューを象徴する「みんなが集う公園」をイメージしてデザイン。来場者とのマッチングにつながればと設けたコーナー“ひろがるカボニューの輪”では、選りすぐりの環境系スタートアップなど14事例を紹介。「ギフティ」や「エシカルコンビニ」と協業したノベルティも配布し来場者へアピール。今後も「ニューエナジーと共に、ポジティブなエネルギーの起点となるような活動を目指す」としている。
ファッションとの接点に期待【NFT ART TOKYO】
注目のNFTは、新しいゆえに制約が少なく、市場も未成熟だ。そんな中、NFTを活用するあらゆるアーティスト活動を縁の下で支えるNFT ART TOKYOが設立された。
同社は渋谷で今年6月、NFTに関するアーティスト同士の交流、ファンとの出会いの場として第一回目のイベントを開催し、約2000人を集めた。
クリエイター支援で共感するニューエナジーでは、4つのフィジカル作品と4面のサイネージに36プロジェクトの作品を展示する。ファッションを軸に活動する人たちと接することで、NFTを広め、NFTを軸に活動するクリエイターたちにも刺激を与え、新しい価値が生まれる事を期待する。
合同展示会「ニューエナジー」 次回会期:2023年 2月25日(土)、26日(日)、27日(月)、28日(火)
【お問い合わせ先】
ダイアモンドヘッド ブルーマーブル
企画・制作=繊研新聞社業務局