【新型コロナウイルス情報】感染拡大続く米国 FB企業、次々と支援

2020/03/30 06:30 更新


 【ニューヨーク=杉本佳子通信員】米国で新型コロナウイルス感染症対策への支援が広がっている。

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 ウォルマートとウォルマート・ファウンデーションは3月17日、2500万ドルをグローバルに寄付すると発表、25日には傘下店の中で営業する1万以上のヘアサロンやネイルサロン、レストランなどのほか、サムズクラブ内の眼科医を対象に4月の賃貸料を免除すると発表。4月以降も継続的なサポートが必要かどうか検証していく考え。26日は、食料に困っている人々のための慈善団体「フィーディング・アメリカ」と組み、客がオンラインで寄付できるプログラム「ファイト・ハンガー、スパーク・チェンジ」を発足した。ニューヨーク州には駐車場と店の施設の使用も提供している。

 ナイキとナイキ・ファウンデーションも、1500万ドルを寄付すると表明した。フィリップ・ナイト名誉会長夫妻、マーク・パーカー会長夫妻、ジョン・ドナホー社長兼CEO(最高経営責任者)夫妻はそれとは別に、合計1000万ドルを寄付する。さらにナイキ・ファウンデーションは、複数の団体に計320万ドルを寄付する。ナイキは1月初め、中国の医療従事者向けにも140万ドルを寄付した。

 ラルフローレン・コーポレート・ファウンデーションは、従業員の医療費や親及び子供のケアにかかる費用、WHO(世界保健機関)のCOVID-19連帯対応基金、同感染症で影響を受けたファッション業界人を支援する全米ファッションデザイナーズ評議会(CFDA)と『ヴォーグ』による活動などへの寄付として1000万ドルを拠出する。米国国内の工場で25万枚のマスクと2万5000着の医療用防護服の生産を始める。

 ニューヨークの医療態勢は極めて厳しい状態にある。マンハッタンのベルビュー病院には巨大な遺体安置場が設置された。医療態勢が危機的な中では、コロナウイルスだけでなく、重病患者や交通事故、火事、犯罪に巻き込まれた人々が満足な治療を受けられずに亡くなることも想定される。

 ニューヨーク州のクオモ知事は26日の記者会見で、多くの企業から支援がきていると話し、ファーストリテイリングから100万枚のマスクが寄付されたことも発表した。

 ギャップも医療用マスクや防護服などをパートナー工場で作る準備を始めた。クロックスは、1日1万足を医療従事者たちに寄付し始めた。26日時点で、40万人以上が順番待ちをしているという。

 空き家状態のニューヨーク市内のホテルも協力を始めた。フォーシーズンズホテルは、治療に当たっている医師と看護師に無料宿泊を提供。ニューヨークの地下鉄の従業員の間でも感染が広がり、地下鉄及びバスの運行本数が25%削減されている。医療従事者たちの通勤の負担を減らし、少しでも心地よく休んでもらおうという配慮だ。セントレジスホテル、パレスホテル、ワイズホテルも同様の対応をしている。

 26日時点で全米の失業者は320万人以上と米国の戦後最多になった。

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