合同展「ネスト」19春夏 スポーツムードのエレガンス

2018/11/06 10:59 更新


 ネストクリエーション・ラボが主催する合同展示会「ネスト」の19年春夏向けは、大人の女性に向けて新しい感覚の着こなしが提案された。

 エレガンスに軸足を置きながらも、素材やディテールをひとひねりすることで、身近なデイリーウェアに仕上げられている。

(須田渉美)

◆機能素材をミックス

 見どころは、異なる要素を掛け合わせるテクニック。なかでも、スポーツムードの装いに今シーズンらしさが凝縮されている。

 「ハート」(山谷政)は、モードとスポーツの融合をレディーライクに見せた。ジャージーウェアをトップにしたワンピースはファスナーで開閉ができ、スカート部分にシャンブレー組織のナイロンを使っている。軽やかで深みのある濃淡と独特の落ち感があり、ドローストリングでウエストラインを若干持ち上げてサイドに流れるシルエットを作る。

 後ろ身頃のヨーク部分から下をメッシュに切り替えたパーカには、ハンカチーフヘムのスカートを合わせるなど、アシンメトリーな直線のラインでシャープな印象も引き出す。

ハート

 オムニバスをテーマにした「ブライアン・ヘラー」(近松侑典)は、異なるアイテムのドッキングやディテールの応用に機能的な要素をミックスした。撥水(はっすい)加工のポリステルのブルゾンはシャツ襟のメッシュのインナーとくっついている。

 トラディショナルチェックのマウンテンパーカは、ジッパーを外すとショート丈にもできる。ユニセックスで楽しめる作りにして、ジェンダーレスな着こなしを提案する。レディスアイテムも機能的な仕様。光沢のきれいなポリエステル・ナイロンのラップ風スカートは、裾に取り外しのできるコットン・シルクの薄手の布を飾ってフェミニンな表情を作る。

ブライアン・ヘラー

 ベーシックなデイリーウェアを新しいバランスで見せる「ベースマーク」(金木志穂)も、今シーズンはスポーツカジュアルを融合したエレガンスを見せた。コットンブロードのシャツの胸から下をカットオフし、防水加工のポリエステルタフタで切り替えた。メンズライクなストレートのラインで芯のある女性の美しさを表現する。

 サマーウールのテーラードジャケットも、ポリエステルタフタの袖やフードをドッキングしてスポーティーなブルゾンに進化させている。

ベースマーク

◆甘くない女性らしさ

 クラシカルなスタイルは、甘くない女性らしさがポイントだ。「エンリー」(李淑娟)は、フレアスリーブのトップやマーメイドスカートなど、丁寧なパターンを強みに品のあるシルエットを作る。

 今シーズンはライラックをテーマにオリジナルプリントも企画、共生地のボタンをアクセントにしたドレスを作った。片側にギャザーを寄せ、膝上からふくらはぎに流したアシンメトリーなヘムラインでクリーンに見せた。

エンリー

 ナイトスイングをテーマにした「マヌカンズ・ジャポン」(坂口英明)は、80年代の構築的なスタイルをミニマルな見え方で洗練させた。ハリのあるジャージートップは、袖のボリュームを落として脇の下を曲線状のマチで切り替え、モダンなフォルムに。女性らしさを印象付けるボディーラインを、立体のパターンでスマートに、着心地良く表現している。

マヌカンズ・ジャポン


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