ニット産地のブランドと地元の若者が協力し、新たなブランドを立ち上げた。群馬県太田市でセレクトショップの運営と産地企業との協業でオリジナルブランドも手掛けるマウンテンディアー(山鹿雅明代表)は、太田市のニット産業を盛り上げ、後世につなぐ目的で、太田市出身の小田幸村氏と群馬県邑楽町出身の亀田修哉氏によるニットブランド「メブキ」の開発をサポートし、クラウドファンディングサイト「キャンプファイヤー」で販売(5月31日まで)を開始した。
(大竹清臣)
【関連記事】マウンテンディアー 群馬県太田市からオリジナルブランド
ニット産業で知られる太田市。時代の変化とともに規模は縮小しているが、それでもまだニットづくりにかける思いは脈々と息づいている。そんな思いを後世につなぐためにブランドを始めた。21歳の亀田氏は「地元群馬の魅力を広めたい」というファッション系インフルエンサー。会社員を辞め、デザイナーの道を歩むことを決意した。デザイナー、フォトグラファーとして地元で活躍する22歳の小田氏はプロジェクトが始まると同時に車で西日本を巡り、繊維産業が盛んな今治や倉敷などで多くを学んできた。マウンテンディアーの山鹿代表は「地元のニット産業に関心を持ってくれた若い世代をサポートすることで地域の魅力を多くの人に知ってもらいたい」としている。
「夏はTシャツだけじゃない」をコンセプトに、世界に誇る技術と伝統によって、ニットの常識を変えるのが狙い。生産は無縫製横編機「ホールガーメント」で国内の年間生産量トップクラスのイノウエ(太田市)に依頼。最新鋭の機械と職人の丁寧な手作業、厳しい検品によって作られる。ホールガーメントはカットロスが無いため環境にやさしく、サステイナブル(持続可能)な製法とも言える。
ツーウェーヘンリーネックは、その日の気分で自由に前後どちらでも着られるように首元のデザインにこだわった。素材はコットン53%・ポリエステル47%で、さらっとした触り心地や落ち着いた艶感があり、夏でも涼しいのが特徴。また首元がチクチクしにくく、肌が敏感な人でも安心して着られる。色はスカイブルー、ブラウン、カーキで、税込み1万1750円。
シースルーベストは軽くしなやかで、動くたびに揺れて表情を変えるので、シルエットの変化を楽しめる。サイドボタンを開けたり留めたりすることでコーディネートの幅が広がる。コットン100%でオールシーズン着用可能だ。色はブラウン、カーキ、生成りで1万3450円。両アイテムを合わせることで、ゆるさの中に力強さを備えた今どきのスタイリングにもなる。