三井不動産、台湾にアウトレットモール 18年末開業

2017/08/22 04:26 更新


 三井不動産は、台湾・台中市で開発準備中のアウトレットモール「三井アウトレットパーク(MOP)台湾台中港」(仮称)の開業予定時期を18年末に決めた。21日に起工式を行い、本格着工する。(有井学)

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 台湾では16年1月に台北市近くの新北市に開業したMOP台湾林口に続く2施設目のSCとなる。海外のSCでは中国の杉井アウトレット広場・寧波(11年開業)、マレーシアのMOPクアラルンプール国際空港セパン(15年開業)と合わせ、4施設目。台湾林口で売り上げ好調な飲食や飲食を含む日系店舗を充実、ファッション、スポーツ・アウトドア店の幅も広げ、計160店を導入する計画だ。

 昨年9月に設立した現地法人、台湾三井不動産(台北市)の全額出資のプロジェクト会社が事業を行う。施設は台中空港から約9キロ、市中心部から約22キロの距離で、台中港フェリーターミナルの隣接地に位置する。敷地面積は約18万平方メートル、建物は地上1階(一部地上2階)で、延べ床面積は約6万平方メートル、店舗面積は約3万5000平方㍍。

 海沿いに立地することから、「港の借景を生かした開放的な設計」とし、屋外モールと屋内モールを組み合わせたハイブリッド型施設とする。

 台中港エリアは台湾有数の観光地で、今後は近接地にヨットハーバーが開発され、エリアを周遊するバスも運行予定であることから、「台中都市圏居住者だけでなく、国内外の観光客まで幅広い客層の獲得」を狙う。大型観覧車などエンターテインメント施設も導入する。

 台湾林口での実績も踏まえ、飲食店を積極導入し、フードコートの席数を台湾林口よりも多い約1000席にする。飲食店の比率を台湾林口に比べて高める。台湾林口では「台湾に日本愛好者が多い」ことに対応し、全220店のうち、日系店舗を飲食店やセレクトショップを中心に約60店導入した。

 「飲食、ファッションともに好調で、全館売り上げに寄与している」ことから、台中港ではさらに増やす計画だ。既にリーシングを開始しており、「飲食店を中心にテナントは出店に意欲的」という。

 台湾林口は周辺が住宅地であることから、食品スーパーや「ユニクロ」のレギュラー店などアウトレット店以外も多く導入した。台中港は、周辺に住宅があまりない観光地であることから、「日本のアウトレットモールに近い」店舗構成にし、ブランドの幅を広げる。台湾林口に比べて「欧米ラグジュアリーブランドも増やしたい」という。

 予定地から約20キロ圏には昨年12月、大型娯楽施設「麗寶楽園」内に台中エリア初の本格的なアウトレットモールが開業した。MOP台中港は店舗数で麗寶の約120店を上回り、日系店も充実することなどから「差別化は可能」とする。台湾では21年に台北市にららぽーと台湾南港(仮称)を開業予定。台湾南部にもアウトレットを含めたSC開発を検討している。




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