優れた技術があって、製品もある。将来的には必要とされるはず。それなのに市場が思うように広がらない。ここ数年はそんな足踏み状態にあったというミツフジ(京都府精華町)。「社内には殺伐とした空気が漂っていた」。ウェアラブル事業を推進する白鯛有希COO(最高執行責任者)は2年前、アパレル小売業から同社に転職してきたばかりのころ、社内の雰囲気をそのように感じ取った。
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本質的な議論が不十分
「みんな疲れている」。入社直後に抱いた印象だった。「(三寺歩)社長はウェアラブル市場の価値を伝え、広げようと一生懸命だけど、思い描くようにうまくいかない期間が長いからか、社内は疲弊している」ように見えた。可能性も感じた。同社の祖業は西陣織の帯工場。銀めっき繊維を糸口にウェアラブル事業へかじを切り、イノベーションを続けてきた歴史がある。「一つの製品に固執して守ってきた会社じゃなくて、時代に合わせた変革をしていける会社。それができれば一気に変われる」と思った。
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