三菱地所とT2が資本・業務提携 自動運転トラックに対応した物流ネットワーク構築へ

2023/06/30 16:58 更新


 三菱地所は物流事業で、自動運転技術を活用した物流システム構築を行うT2(千葉県市川市、下村正樹社長兼CEO=最高経営責任者)と資本・業務提携した。T2が開発したレベル4自動運転トラックによる幹線輸送と、三菱地所の「次世代基幹物流施設」(次世代施設)を組み合わせた新たな輸送事業を26年を目標に開始する。「自動運転トラックに対応した物流ネットワークの構築は日本初」という。

 6月30日に提携について両社で合意し、同日付でT2が三菱地所を引き受け先とする12億5000万円の第三者割当増資を実施した。三菱地所のT2への出資比率は15.1%で、同社から役員を派遣する予定。

 三菱地所が京都府城陽市に26年に完工予定の次世代施設の第1号物件に、T2の自動運転トラックを建物内まで運行できる仕組みなどを整備する。次世代施設は次世代モビリティーの受け入れが可能な高速道路のインターチェンジ(IC)に直結する施設で、敷地内に自動運転トラックの発着拠点となるモビリティープールも設置、T2も活用する。T2は今後、三菱地所以外の出資者を増やすなど「パートナーを広げる」(下村社長)方針。城陽と同様の仕組みを「早ければ26年度中に関西圏だけでなく、中京圏、関東圏に整備したい」という。

 物流業界ではトラックドライバーの人手不足が深刻化し、24年にドライバーの時間外労働の上限規制が適用されることに伴う「物流の2024年問題」対策が急務になっている。今回の提携は「こうした課題への危機感と持続可能な強い物流の実現を支えたいという両社のビジョンが一致した」(小張貴史三菱地所執行役員)のが背景。次世代施設が「自動運転トラックの運行に不可欠」(下村社長)なIC直結であることも提携の決め手となった。

 この取り組みにより、省人化と効率化による「荷主企業、運送会社、テナントの便益向上」(両社)を目指す。

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