職人技×デジタル技術でオーダー靴販売

2016/12/16 06:30 更新


 靴職人の技とIT(情報技術)を組み合わせ、日本の物作りを支援するベンチャー企業のミリメーター(東京)は、このほど一人ひとりの足に合う女性靴を作る手法を確立し、17年1月18日に東京・市ケ谷にある「靴工房シューズカフェ」でオーダーメイドのパンプスを製造・販売する。

 従来のオーダーメイド靴は、靴職人が計測した足型を基に木型を作り、手作りで靴に仕上げていくため「2カ月近くかかることもある」(同社)という。

 ミリメーターの新サービスは、靴職人による足の計測と木型の製作をデジタル化し、3Dプリンターで木型を作る。このため、製作期間はおおよそ1週間に短縮されるほか、足型をデータとして保管しておくことで、足に合う靴の注文がしやすくなる。8万円から。

 サービスの開始に伴い、婦人靴のオーダー店を開業し60年のベテラン靴職人で、バレエ・ダンス用品ブランド「チャコット」のシューズアドバイザーでもある酒井満夫氏を技術顧問として迎えた。同氏の知識と技術によって提供するサービス、商品のクオリティーを担保するとともに、若い職人にそのノウハウを継承して人材育成と雇用の拡大にもつなげる考えだ。

 今後は、蓄積された様々な足のデータと靴の相関関係をAI(人工知能)で解析し、解析データを使い木型を製作するという工程の完全自動化を目指す。同社は「AI、3Dプリンター、靴職人の分業でコストダウンをはかり、女性が当たり前のようにオーダーメイドで靴を作る世界を築きたい」という。



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事