イーロン・マスク氏の宇宙ビジネス企業、スペースXが米国株式市場に上場した。調達額は750億ドル。サウジアラビアの国有石油会社を超え史上最大規模の新規株式公開となった。マスク氏の資産も1兆ドルを超えた。日本の当初一般会計予算は122兆円だから、とにかく想像を絶する金額だ。今回は日本でも複数の証券会社が公募し、話題がさらに盛り上がった。
一進一退あるとはいえ、国内株式相場は過去最高水準で推移している。米・イラン間の和平合意報道も追い風となり、週明けの日経平均株価は大幅に上昇した。よほどのことが無い限り、当分は強気の相場が続きそうではある。
株高の恩恵を受ける人たちの消費意欲は高まるだろう。半面、今の株式相場に市中の景気との乖離(かいり)を指摘する声も強い。特に繊維・ファッション産業を支える多くの中小企業にとっては、目先の原燃料や人件費の高騰が日々の経営を圧迫していく。
AI(人工知能)や半導体、これからが期待される宇宙関連株など、一部の業種だけに投資が集中している現状にも、やや違和感を覚える。株式市場と実際の暮らしは決して不可分ではないはずだ。生活を支える産業としての繊維・ファッション産業。その魅力を高めるためにはどうしたらいいか。株価という市場の答えだけでは測れない価値を、もっと伝えていかなければならない。
