近所のホームセンターに行った際、「当店は従業員の服装、髪色・髪形、ピアス着用など自由にしております。何とぞご理解ください」との貼り紙が目についた。レジを見ると、確かに様々なスタイルの従業員がいるが、特に違和感はない。人手不足でドレスコードを緩めなければ採用できない事情もあるだろうが、こうした貼り紙をするということは、なかには嫌がる客もいるのだろうか。
別の立ち食いそば店では夏場、「水分補給のため、従業員がペットボトルのドリンクを飲むことがございます」と、麺をゆでる大釜の前にわざわざ掲示していた。熱中症予防がこれだけ言われる中で、こんな貼り紙をしなければいけないことに悲しくなった。
演歌歌手の三波春夫の口ぐせだった「お客様は神様です」が広がり、顧客第一が曲解されて、いつしかモンスターカスタマーを生むようになってしまった。いまでは従業員を守るため、カスハラ対策があらゆる業種で重要な課題になっている。
服装やマナーに関わる許容度は時代によって異なるとしても、「売り手よし」「買い手よし」の商いの原点はいつの時代も変わらない。ホンダ創業者の本田宗一郎が「三つの喜び」(作る喜び、売る喜び、買う喜び)を社のモットーとしたように、売り手と買い手が互いにハッピーになれる関係こそがビジネスの本質だ。
