《めてみみ》市場の1割を占めるブランド

2025/10/21 06:24 更新NEW!


 繊研新聞社が推定した24年の日本のアパレル市場の規模は9兆6751億円。アパレル小売りの専門店や百貨店、ECのブランドなど無数のプレーヤーが市場を構成するが、一番大きいのがユニクロだ。

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 25年8月期の国内売上高は1兆円を突破した。今や1ブランドでアパレル市場の1割を占める。同じファーストリテイリング傘下のジーユーも売上高が3000億円を超える。合わせればシェアはさらに大きくなる。

 「入念にデザインし、上質な素材で丁寧に作った服を誰にでも買える価格で」というユニクロの考え方が日本で広く知られるきっかけを作ったのが98年のフリースブームだ。価格は1990円。破格の安さと豊富な色数を印象的なテレビCMで伝えて話題を集め、初の都心店としてオープンした原宿店にも多くの客が詰めかけた。

 柳井正会長兼社長は「それまではチェーンストアだった。フリースのブームで全国ブランドになれた」と振り返る。終息後は売り上げの落ち込みなど反動も経験したが、ユニクロが何を売っているのかは日本全国に伝わった。

 「どういうブランドか、知ってもらわない限り、成長はできない」と柳井会長。一過性のブームに終わることを恐れず、まずは自分たちが何者か覚えてもらう。そのくらいの気持ちで始めないと、市場で1割のシェアを取ることはできないようだ。



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