《めてみみ》タイニーハウス

2024/08/08 06:24 更新


 少し早めの夏季休暇を取り、自然に囲まれたタイニーハウスで過ごした。タイニーハウスとは、トレーラーハウスやログハウスといった10~20畳ほどの小さな家。必要最低限の物を備えた家で、豊かに暮らそうという考え方が根底にある。「物をたくさん持っている方が豊か」という価値観とは真逆にある。

 自然を感じながら、いつもと違うライフスタイルを体感できる過ごし方は何か。単純にホテルで過ごす夏休みでは満たされそうにない。あれこれ探したところ、ネットフリックスの番組で興味を持ったタイニーハウスに行きついた。

 そこでの暮らしはいたってシンプル。キッチンで料理し、リビングでくつろぐ。ベッドルームやシャワー、トイレがコンパクトに収まっていて、隠れ家のような〝おこもり感〟が楽しめる。小さいのに、いや小さいからこそ、無駄なくゆったりと過ごすことができた。

 ファッション市場でも「どのように心に残る時間を提供するか」は大きなテーマ。ブランドの持つ雰囲気などを生かしつつ、各社は独自の提案を進めている。例えばベネチアでは「ボッテガ・ヴェネタ」が職人の手仕事や地域の文化を体感できる施設をオープンした。日本でも、アパレルメーカーの創業者らが日本の食や文化を軸にしたホテルを京都に開業した。いずれも、価値ある時間の提案が核になっている。



この記事に関連する記事