大阪・梅田の複合施設グラングリーン大阪が9月に先行〝まちびらき〟する。「ここは梅田? 梅田の真ん中には緑がほとんどなかったが、生まれ変わる。わくわくしている」。現地で開いた記念イベントでの吉村洋文知事の発言だ。貨物ヤード跡地に木々が植えられ、芝生広場の整備が進む光景の第一印象だそうだ。
大阪駅北側の約9万平方メートルある開発エリアの半分、4万5000平方メートルが「うめきた公園」になる。大規模ターミナル駅直結の都市公園では最大級の規模。このほか、オフィス、ホテル、商業、住宅、イノベーション施設などで構成されるが、〝中核施設〟は公園だと思わせる存在感だ。完成は27年度。多様な人が集う光景が目に浮かぶ。
延べ床面積11万平方メートル以上あるオフィスへの入居は、現時点で面積の半分以上が内定している。開発事業者によれば、ビルのスペックや駅からの距離といった従来の評価軸とは違う、オフィス選定の「新しい軸ができている」とのこと。それが公園であり、イノベーションを共創できる環境だ。
最近では、広場やレストスペースに面積を割く施設が格段に増えた。月坪効率よりも快適性を重視し、多様な人が集える公共空間を創出すること。働く人にも魅力的な環境整備が、中・長期的に見れば不動産価値、施設価値を高めるとの見方が着実に広がっている。