毎日、中学生の息子に「スマホの見過ぎだよ」と注意をしているが、自分はテレビばかり見ている。子供の頃から、朝起きて寝るまでつけっぱなし。50代半ばになった今もその習慣は変わらない。コロナ下には録画したアニメまで見るようになり、〝テレビ漬け〟の毎日に拍車がかかった。
先日、数十年ぶりにテレビCMを始めたシニア向けのカジュアルブランドを取材した。昔と違って若年層のテレビ離れが進み、シニア層の比率が高まっているため、親和性が高く、効果も大きかったという。テレビCMにかつてのような膨大な費用もかからなくなり、放送するテレビ局や時間帯、番組を厳選したらしい。
大手紳士服専門店は成人式やフレッシャーズのオケージョン需要を狙い、ティックトックなどのSNSで若い世代に人気のタレントをアンバサダーに起用したキャンペーン動画の配信に力を入れている。自分たちがターゲットにしている客層へダイレクトに伝えたい情報を届けられるメディアを厳選する時代になった。
デジタルマーケティングが主力なのは間違いないが、雑誌や新聞、ラジオなどオールドメディアも活用の仕方はあるはずだ。自社のターゲット層の行動様式から趣味嗜好(しこう)、価値観などを見極めたピンポイントな広告・宣伝がますます重要になるだろう。