客が着なくなった服を店頭で回収する小売店が最近、増えた。集まる服は、裁断した端切れを清掃用にしたり、自動車や建築資材に再加工したりもするのだが、実際にはまだまだ着られる状態のものの割合が高く、再販されることが多い。
ユニクロは07年から回収衣料を難民に寄付している。現在も年間700万枚を届けているが、それでもなお着られる服が集まるので先日、原宿店に設けた期間限定店でユニクロの古着を売るイベントを実施した。
回収した服を洗浄してそのまま並べるだけでなく、製品洗いして後染めを施してビンテージ調の風合いを加えた商品も用意した。サイズも色も時代もバラバラだがその分、一点物を探す楽しみを味わってもらおうという趣向のようだった。
再販するのではなく、リメイクして持って帰ってもらう試みもある。H&Mは銀座店で客が持ち込んだ服にステンシルで文字やイラストを入れたり、分解してアクセサリーに作り変えたりするワークショップを開催した。
着古した自分の服にステンシルで新たな表情が加わる様子や、ほどいた端切れをイヤリングやキーホルダーに作り変えるプロセスをワークショップに参加した客は楽しんでいるように見えた。小売業がこうした取り組みを今よりもっと日常的に行うことが、循環型の仕組みの構築につながると思う。