コロナ禍で会う機会が減った人に、久しぶりに対面するのはうれしいものだ。雑談が進むなかで、よく聞かれるのが「記者さんもウェブ取材が多いのですか?」という質問。結論から言うと、当方は足を運ぶことを希望しつつも、対面かウェブかは、あくまで取材先のニーズに合わせるのが原則だ。
個人差はあるのだろうが、回を重ねても、やはりウェブ取材は難しい。決算取材など数字のやり取り中心の時は良いのだが、通常の取材では、ふと質問が途切れた時に、話の糸口が出てこないのである。対面なら、周りに飾ってある額や蔵書なども話題になり、その雑談の中で社長の人柄や経営哲学を感じられることも少なくないのだが。
「メタバース時代が到来したら、今度は記者さんがアバターとなって取材に来られるんですかね」。笑いながら言われたが、技術の進歩や人との関わり方の変化を考えれば、荒唐無稽な話と切り捨てるわけにもいかない。
インタビュー記事では、「笑顔が良い」とか「顔を引き締めた」などという表現が間々用いられる。アバターでは、こんな言葉は使いにくいなと一瞬思ったが、既に感情変化をリアルタイムで読み取りアバターに反映するような技術開発も加速しているようである。年だからとか、嫌だとかは言っておれない時代であることを痛感する。