上海では現在、オミクロン株感染者が拡大し、オフィスやマンションの封鎖が相次いでいる。1日の感染者数は百人単位以下とはいえ、周りや自分がいつ感染者となるか分からなくなってきたため、散歩でもマスクを着用する人が増えた。
4月から大規模な展示商談会が続々と開催されるが、3月下旬までこの感染者推移のままだと、展示会への影響が懸念される。そのため今のうちに感染元クラスターを取り除く狙いだろう。最近は上海の各所で万人単位のPCR検査が実施されている。ゼロコロナ対策として、これから感染が発生した各場所の付近で大がかりな検査が行われるかもしれない。
一方、消費は全体的に悪くはないようで、比較的高単価な商品が売れている。ただし「このままでは、さほど劇的に消費は上がらないかも」と冷めた声がちらほら出ている。20、21年は不自由を我慢してリベンジ消費が起こったが、今の上海を冷静に見ると、コロナ対策の緩急に慣れ、街中を歩けるからといって喜びにあふれて買い物する感じではない。
昨今は物価も上昇し、買い物は生活必需の食品、日用品にとどめ、「日々の生活はこんなもの」と淡々と生活している雰囲気もある。もはや多くの人々の願いは、さらなる自由な移動で、海外へいつ行けるかのステージになっているように見える。