コロナ下で非接触型サービスへの消費者ニーズが高まるなか、サービスロボットを導入する企業が商業施設などで増えている。ただし、現在のサービスロボットの多くは個別ユーザーの要望に応じて開発されているため、オーバースペックになりがちで、価格も高い。これがロボット普及に向けた大きな課題だ。
この解決を目指し、経済産業省は「ロボットフレンドリーな環境の実現」に向けた施策を推進している。ロボットフレンドリーな環境とはロボットを導入しやすい施設環境や業務運営。既に、イオンやパルコ、三菱地所なども参画する官民タスクフォースでロボットが走行しやすいエレベーターやドアの開発・実証などを行い、一部技術は規格化した。
経産省によると、この環境が整えば、「ロボットを個別ユーザー向けに開発することが不要になり、仕様が収斂(しゅうれん)される。その結果、価格が下がり、社会実装が加速する」という。
そのために必要不可欠なのは技術開発に加え、「ロボットに対する人々の寛容さ」と同省は指摘する。「ロボットも万能ではなく、走行に時間がかかってしまうこともある。こうした点を許容し、ロボットと人の通路を分けたり、人と業務を明確に分担することがロボットの有効活用につながる」とする。自動化する技術開発が進んでも、結局、重要なのは人だ。