「グッチ」は11月16日から最新コレクションを短編映画で配信している。ガス・ヴァン・サントとアレッサンドロ・ミケーレ共同監督による映画で、7日間を通じて毎日1ストーリーを公開、7話が配信される。ガス・ヴァン・サントは米国の映画監督。「エレファント」でカンヌ国際映画祭のパルム・ドールも受賞した.
そんなビッグネームに映像を託したのは、この映画が単に最新コレクションを発信するためだけのものではないからだろう。登場人物はもちろんグッチのコレクションをまとってはいるのだが、ストーリーを通じてLGBTQ+(性的少数者)の権利や家父長制的な社会構造問題が描かれる。ミケーレのコレクションの背景にあるジェンダーフリーの考え方が、映像を通じて世界に配信される。
この間のデジタル映像でのコレクションを見ていて、デザイナーの描きたいイメージは分かるのだが、服のクオリティーが分からないことがネックだ。グッチの場合、服のクオリティーはさておき、ジェンダーフリーのコレクションや服の背景にある哲学を伝えることにしたのだろう。しかもガス・ヴァン・サントによる美しい映像で。
フィジカル(リアル)のコレクション発表が困難な中で、服の見せ方やブランドのコンセプトの伝え方は多様化している。まだまだ進化の途中だ。