9月の半ば以降、SCからのプレスリリースが一気に増えた。大半が10月のハロウィーン向けを中心としたイベントの告知だ。多くの施設が新型コロナウイルスの感染予防のため、大型集客イベントを控えていたが、オンラインとの併用などで感染予防策を取りつつ、「リアルな場での楽しさ」を提供し、未曽有の厳しさから脱却しようとしている。
9月19~22日の連休あたりから、売り上げも復調しつつあるようだ。あるファッションビルは9月の4連休前まで、入館客数、売上高ともに前年同期比50%減ペース。しかし、4連休の客数は40%減に戻り、売り上げは6%減まで回復した。ハウスカード会員向けの割引を実施した効果も大きいが、「気温の低下とともに、秋物へのニーズが高まった」と館長は言う。
他の施設でも同様の話を聞いた。今後に予断は許さないが、「若い層を中心にお客もコロナに慣れてきたのでは。感染予防はしつつも、以前のように楽しみたいというお客が増えた」と多くが指摘する。
コロナ下で最も苦戦する業種の一つである飲食も回復基調。新業態や人気店を揃え、絶好調なSCの飲食ゾーンもある。
コロナ下で「新しい生活様式」が広がっているのは確かだ。しかし、消費者の根本的な欲求は変わらない。そこをつかみ取る努力を積み重ねていけば、道は開ける。