定期的に取材してきた東北のファクトリーブランドから布マスクが届いた。日頃からお世話になっている卸先などに感謝の気持ちを込めて送っているとのこと。マスク不足が続く中、記者も非常に助かり、愛用させてもらっている。
東北に複数の縫製工場を持つ企業でも、工場がある自治体に自社製の布マスクを寄付したと聞いた。全国多数の縫製工場とネットワークを持つ企業も保育関連企業と連携し、保育施設へマスクを無償で届けるプロジェクトもスタートしている。布マスク生産に着手する縫製工場が急速に増えた。
大都市圏の大型の商業施設の休業をはじめとして、小売店の営業自粛の影響から洋服の販売は難しい状況にある。その影響は縫製工場にも及び、予定していた受注がキャンセルされ、稼働率も大幅に低下している。その結果、空いてしまった設備と人材を布マスク生産による社会貢献に生かしているのだろう。
アパレルメーカーが生産拠点を海外にシフトしてきたため、国産の比率は数%に限られる。それでも生き残り、奮闘してきた縫製工場が国内にあるからこそ、困っている人たちに布マスクを届けることが可能なのだ。洗って何度も使える布マスクはサステイナブル(持続可能)なアイテムでもある。国内縫製工場の価値を見直すきっかけになってほしい。