《めてみみ》「日常」を取り戻す

2020/04/10 06:24 更新


 緊急事態宣言を受け、対象地域の多くの百貨店やSCが4月8日から当面の間、全館休業や臨時休業に入った。休業を決めた企業は、感染拡大の防止、客と従業員の健康と安全を目的に、いわば〝自主判断〟の側面もある。当初は、休業を要請する業種・業態の指定も明らかになると思われていたからだ。

 都府県の対応をみると、外出自粛とイベント自粛を一層強く打ち出したが、具体的な休業要請施設の公表は見送り。東京都は10日の公表、11日から実施の予定。大阪府は「外出自粛等の協力要請の効果を見極めた上」で休業要請を検討する考え。

 「いくつものパターンをすでに想定しているが、決定は行政の判断を見極めてから」とある商業施設。結果、8日からの営業方針の発表は7日夜遅くとなった。「約1カ月の休館を前日夜に発表していたのでは、生活に必要なものを買って備える時間がない」と7日午後早々に発表した施設もある。

 「休業要請と補償はセットでないと出せない」。行政側のそんな声もあるようだが、既に対象地域外でも休業する施設・店舗があり、さらに増えそうだ。「かつての日常は失われました」と安倍首相が語った。生活インフラ維持の観点から営業を継続するにしても、言うまでもなく感染拡大の防止策が最重点だ。少しでも早く「日常」を取り戻すために。



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