《めてみみ》独立記念日

2020/03/26 06:24 更新


 今日はバングラデシュの独立記念日。71年3月26日、現在のバングラデシュである旧東パキスタンがパキスタン(旧西パキスタン)からの独立を宣言したことにちなむ。

 それから約50年。19年度のGDP(国内総生産)成長率は過去最高の8%超。近年ではラナプラザビルの崩落事故、日本人を含む大勢が犠牲となったダッカのレストラン襲撃テロなど痛ましい事故、事件がありながらも高い経済成長を実現する。ただ世界的な市場の冷え込みで、引っ張っていた縫製業の成長は鈍っている。

 日本向けも鈍化傾向にあるが有力な縫製地であることは間違いない。今後さらに活用が進むだろう。価格至上主義が人件費の安いバングラデシュでの生産を推し進める。成長を後押ししていることもあり、方向性が間違っているというつもりはない。中国に偏重していた衣料品生産が東南アジアやバングラデシュなどに分散され、生産バリエーションが増えたのも進化の一つだ。

 外国企業を取材すると「日本の衣料品は価格に対してバリューが非常に高い」とよく言われる。残念なのは価格を上回る価値のある服、競争力のある服を作れてはいるのに、付加価値として価格に反映できていない点だ。付加価値を追求しながら実はその価値を信じ込めず、過小評価して安く売っているとしたらもったいない。



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