《めてみみ》働き方改革

2020/02/06 06:24 更新


 「悪いけど、他の店に行って」。夜7時ごろ、SC内の飲食店の店主が常連客の入店を次々と断っていた。ホールスタッフが体調不良で急に休んだため、人手が足りなくなったからだ。店の入り口には「本日は従業員が少ないため、ご注文からかなりのお時間を要します。ご了承下さい」との看板があった。急に作った看板ではなく、その店の人手不足は常態化しているようだ。

 その店は稼ぎ時にもかかわらず、入店を断ったため、客席はまばら。閉店時間も通常よりも早めた。人手不足は販売機会ロスにもつながっている。

 ファミリーマートは6月から、全店で店主の判断で24時間営業を短縮できるようにする。セブン‐イレブン・ジャパンも一部店舗で時短営業を開始した。「働き方改革」の流れに対応し、人手を確保するのが目的だ。ロイヤルホストに続き、すかいらーくホールディングスが4月までに全店で24時間営業をやめるなどコンビニ以外にも時短営業は広がっている。SCでもこの1~2年で時短営業に踏み切る施設が増えた。

 時短営業は人手不足解消の特効薬ではない。ただし、従業員の働く意欲を高め、人員募集の切り札にはなっているようだ。4月から、中小企業にも時間外労働の上限規制が適用される。企業の働き方改革への本気度がますます問われるようになった。



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