《めてみみ》未来のキャンプ大国

2020/01/10 06:24 更新


 衣料消費が伸び悩むなか、市場拡大が期待されるのがキャンプ関連分野だ。国内外の多彩な商材が揃う大型売り場が次々とオープンする。テントなどは実物を広げないと分かりにくい商品だが、広々としたフロアに数多く並び、実見できるメリットは大きい。キャンプ場を運営し、市場をさらに活性化しようとする動きも目立つ。

 あるアウトドア用品メーカーの取材で、「日本のキャンプシーンは独自の発展を遂げていくのでしょうね」という話になった。確かにキャンプ場以外でも、テントを張れるような治安の良い国は、世界中を見渡しても少ない。気候も比較的温暖で、野獣に襲われる危険性も考えにくい。

 考えてみれば、キャンプシーンには衣食住の全てが必要だ。快適な服装、テントや寝袋、コンロなどを一通り揃える。そのうちに、もっと便利でこだわったアイテムが欲しくなる人も増えていくだろう。市場は想像以上に広がる可能性がある。

 一つひとつのアイテムにマニアックなまでこだわる物作り、小さなアイデアを生かした商品の改善や改良は、日本人が得意とするところ。キャンプとは本来、不便を承知で楽しむものという声もあるだろうが、これは大きなチャンス。5年後、10年後には、用品も体験も日本が一番と、世界中から人が訪れるようになっているかもしれない。



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