三井不動産は4日に開業したSC、ららぽーと沼津に新ゾーン「沼津コート」を開設した。共用区画にワークショップなどのイベントスペース、クリエイターの作品などを展示するギャラリーのほか、衣料品・雑貨を中心に編集したショップを設けた。
ショップのブランド・商品は同社がセレクトした。これまでも、共用区画を活用し、自社企画のスペースを開設してきたが、本格的に商品のセレクトまで踏み込んだのは初めてだ。
同社は9月に開業したコレド室町テラス内の台湾の書籍中心のライフスタイル店舗「誠品生活日本橋」でも、女性社員がコスメ、雑貨などの編集型売り場で商品のセレクトに関わった。「日本橋で働く女性の目線を売り場作りに生かす」のが目的だ。
不動産賃貸業のSCディベロッパーが従来の「単なる場所貸し」から転換し、自社運営型の店舗やゾーンを作ったり、店舗のMDに踏み込む動きが一段と広がっている。パルコは11月22日に開業する渋谷パルコに複数の自主編集型売り場を作り、東急不動産は12月5日開業の東急プラザ渋谷に直営のバル・ミュージックラウンジを出店する。
消費者ニーズの多様化と競合激化の中で、独自性を鮮明にし、新たな価値を提供するためのビジネスモデルの構築がSCディベロッパーにますます求められるようになった。