《めてみみ》おしゃれ巧者

2019/09/02 06:24 更新


 紳士服市場のカジュアル化に歯止めがかからない。夏のクールビズが完全に定着した日本だけでなく、世界的にもスーツ離れが進んでいる。だからこそ、逆に「フォーマルウェアが紳士服業界の起爆剤になりうる」と言い切るのは、昨年春に日本フォーマルウェア文化普及協会を設立し、理事長として業界の先導役を担う横山宗生氏。

 横山氏は東京・南青山でオーダーメイドとレンタルのタキシードアトリエ「ロッソネロ」を運営するマイモード代表でもある。自身の事業も右肩上がりで成長し、1年間でホテル6、プロデュース会社1、料亭1など結婚式場との提携が増えた。高級ホテルで半数以上の新郎がオーダーした事例も出てきた。芸能人へのタキシードの貸し出しも年間100人を超えるという。

 いわゆる「日本の略礼服はグローバルスタンダードではない」と横山理事長。元号が「令和」に変わり、来年は東京でオリンピックが開かれる。グローバル時代を視野に入れて礼服をバージョンアップする転機でもある。

 日本のフォーマルウェア市場は、ある種、ブルーオーシャンなのだろう。まだまだ成長の余地は大きい。行き過ぎたカジュアル化の反動からタキシードスタイルなどドレスアップする方が特別な存在に見え、「おしゃれ巧者」とされる時代も、そう遠くないのかもしれない。



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