「美、健、食」は、消費者の関心の高い分野として百貨店、SCともに強化している。百貨店は高額品も拡大の対象で、今年はジュエリーや高級時計、ラグジュアリーブランドの強化が相次ぐ。
伊勢丹新宿本店は28日、ジュエリーを売り場面積、ブランド数ともに1.5倍に拡大した。三越日本橋本店も8月に時計サロンを2.5倍に拡大している。阪急うめだ本店は来春、時計を2.5倍に、ジュエリーを1.5倍に拡大する。井筒屋小倉本店も5月、時計を1.5倍に移設拡大した。
天満屋岡山本店は30日、中・四国百貨店最大規模の別館「天満屋ウォッチギャラリー」を開設する。面積は3倍以上、商品数は2倍の約2000点を揃える。高級時計の拡大は「百貨店のなかにある(SCと)差異化できるカテゴリー」との見方だ。化粧品やジュエリーなども「百貨店が〝カテゴリーキラー〟になる」可能性を指摘していた。
この売り上げを伸ばすカテゴリーは、訪日外国人や富裕層だけが支えているわけはない。高級時計の購買客の年齢は幅広い。「30~50代女性が明らかに増えている」(阪急うめだ本店)ともいう。ラグジュアリーブランドのTシャツやスニーカーも「若い世代」に人気だ。高額品強化の背景には、百貨店が長年、課題としてきた次世代顧客層の購入もあるだろう。