《めてみみ》新しい街

2019/08/29 06:24 更新


 森ビルは東京都港区の虎ノ門・麻布台で大型複合施設を開発、23年3月末に完工する予定だ。総事業費は約5800億円、延べ床面積は約86万4000平方メートル。いずれも、六本木ヒルズや虎ノ門ヒルズを上回り、同社最大の開発となる。

 エリアは六本木ヒルズと虎ノ門ヒルズの中間地点。隣接する同社のアークヒルズを含め、大型施設は周辺にあるが、開発エリアには古くからの住宅が密集する。同社は89年に約300人の地権者と街づくり協議会を作り、準備を重ねてきた。

 完工後はその時点で日本で最も高い約330メートルのビルをはじめとした高層棟3棟と約6000平方メートルの屋外広場を軸にした「新しい街」に生まれ変わる。オフィス、住宅、ホテル、インターナショナルスクール、文化施設などのほか、総賃貸面積約2万4000平方メートル、約150店の商業施設ができる。

 商業施設は食を中心にしながら、ファッション店も誘致する。周辺に飲食店は多いが、ファッション店はほとんどない。業界関係者からは「このエリアでファッションが売れるのか」という声が聞かれる。

 六本木ヒルズも同様の声があった。しかし、それまでなかった機能が加わったことで街の発信力が高まり、いまや、上質で高感度なファッションが売れる屈指のエリアとなった。虎ノ門・麻布台がどう変わるのか注目だ。



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