「天気のせいにしちゃいけないとはいえ、今回ばかりは…」。売り場の定点取材でセレクトショップの店長が苦笑いする。7月の商売が芳しくなかった理由を聞くと「天気が悪すぎた」との答えが返ってきた。
無理もない。東京の7月の平均気温は24.1度。前半は真夏日もなく、日中は肌寒くすら感じる日もあった。ユニクロでは夏物肌着の「エアリズム」があまり売れず、むしろＵＶカットのパーカやカーディガンなど長袖のトップのほうが売れたという。
加えて6月末スタートのセールにタイミングを合わせたかのように雨が降り続き、客数も減った。別のセレクトショップでは、この間、来店客が多かったのは人気の別注商品の入荷日くらいで「セールの夏物商品に手を伸ばすお客様は少なかった」。
関東甲信地方で梅雨明けしたのは7月最終週で、気温もとたんに上昇。小売業の多くはファイナルセールに入っていたが「この時期になってようやく夏物が売れ始めた」。ただ、前半のつまずきを取り戻すには時間が足りなかった。
8月も暑い。ある店では「平日の夕方に週末と同じくらいの来店がある」そうだ。だが「売れ行きが好調といっても大半はセール商品」で、利益は薄い。同じ事を繰り返さないためにも、やはり夏はセール時期の適正化を業界全体で考えたほうが良いと思う。
