《めてみみ》プレコレ、勢う

2019/05/10 06:24 更新


 ゴールデンウィークが明けると、東京はもうすっかり初夏の陽気だ。春物の上着が着られなくなり、1枚で過ごす季節を迎える。春物の店頭投入は1月上旬、そこから4月いっぱいまで販売し、この頃から売り場も変わる。

 デザイナーブランドのプレコレクションがビジネスとしてすっかり定着したのは、米国の売り場のMDサイクルと関係している。この時期、メインコレクションは早々とセールが始まり、6月からは秋冬のプレコレクションに売り場は変わる。

 東京のデザイナーブランドの展示会を巡って、変化が起こっている。東京コレクションは3月と10月の中旬、その後の週が大々的な展示会シーズンだった。ところが、今年は1月の欧州メンズコレクションの後、2月初旬に展示会を開くレディスブランドが増えた。ショーに先立つこと、ひと月以上前にオーダーを確保する流れだ。欧米のブランドが、プレコレクションの展示会を終えた時期とも重なる。

 プレコレクションまで行っていないブランドが、メインコレクションのオーダーを早めに集めることでデリバリーも早められる。結果、店頭での販売期間が長くとれるため、小売店は歓迎ムードだと聞いた。問題はファッションウィークとの連動性であろう。この流れが、今後のビジネスにどう変化をもたらすか注目したい。



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