百貨店の化粧品が好調だ。日本百貨店協会によると18年6月で39カ月連続の増収だった。総額売上高は2カ月ぶりのプラスで、百貨店全体の基調からすれば、異常とも言える伸びが続く。既存顧客層の購買額の増加だけで3年以上伸ばし続けることは無理だろう。
訪日外国人需要の貢献が大きいことは明らかだが、20代女性を中心とする国内新規客層の増加も後押ししている。化粧品売り場を見ていると、外国人にしても20代前半と思われる女性が多く、国内外を問わず化粧品への関心は高いようだ。
本紙3日付の伊藤忠ファッションシステムによるトークセッションの記事で、「LINE世代(22~26歳)」のメイクへの関心の高さが紹介されていた。「お金をかけたいジャンル」の同世代の1位はファッション、続いてメイク、3番目がボディーケア・スキンケア・ヘアケアだった。
中・高校生の時にドラッグストアや生活雑貨店で化粧品を購入していた女性たちが、大学生や社会人になって1ランク上の商品を求めて百貨店に買いに来ている。そんな分析を百貨店で聞いたことがある。化粧品と服では価格や販売チャネルが違う。しかし、同じ論理で言えば、低価格帯のグローバルSPA(製造小売業)で服を購入していた世代が近い将来、服の購買をランクアップする可能性はあるのだが。