上海近郊にある京東の物流倉庫を見学した。最新の自動化システムを導入した倉庫内は人がまばらだった。最も人が多くいたのは搬入口で、次から次へと到着するトラックと、荷台から荷物を下ろす人、それを倉庫内の決められた場所へ運ぶフォークリフトが動き回っていた。
高級品を扱う倉庫は湿度や温度が管理されていた。また入退室は顔認証が必要で高級な腕時計などは、さらに別室で厳重に保管されている。スーツと手袋を着用した配達員が黒塗りの車で配達するといった徹底ぶり。商品の運搬はロボットで自動化するなど最新の技術による合理化とサービスの向上が同時に行われていた。
一般商品を扱っている倉庫は、通常時で1日に15万件、11月11日(独身の日)には1日に45万件の注文を処理する。ここでは午前11時までの注文は午後11時までに配送する仕組みを構築している。ここで働く従業員は300人。自動化しなければ1000人は必要との説明だった。
中国では人手不足が深刻な問題になっている。それを克服するために注目されているのが自動化、ITの活用だ。今や昼食の時に飲食店で決済のみならず、注文もスマホを使うのは日常風景として定着している。経済の拡大と若者がキツイ仕事はしたくないという傾向と相まって、生活環境は日々更新されている。