《めてみみ》近未来の物流像

2018/04/11 04:00 更新


森ビルがZMPと共同で開発した日本初の自動走行宅配ロボット「キャリロデリバリー」

 人手不足を背景に物流コストの上昇がクローズアップされている。コスト増が企業全体の業績を悪化させ、さすがのアマゾンも配送料の値上げを表明した。今後、物流センター内では、省力化や自動化のための様々な設備投資が加速するだろうし、AI(人工知能)によるデータ分析を活用し、繁閑に合理的な人員配置も当たり前になってくる。

 やはり課題になるのが陸送作業だろう。港と物流センターなどを結ぶ幹線輸送に加え、特に近年は店舗や個人の家への「ラストワンマイル」輸送が重要視されている。

 安全性などの問題から、人がハンドルを握る部分はもちろん、最終の配達工程は自動化が難しい。それでも具体化に向けた取り組みが目立ってきた。森ビルは六本木ヒルズで自動走行の宅配ロボット試験を開始し、ヤマト運輸は宅配ボックスを積んだ車両が指定時間に自宅近くに来る「ロボネコヤマト」などの実験を進めている。現在はドライバーが運転している段階だが、自動運転も視野に入る。

 さらに進化すれば、停められた母艦となる車両から、ドローンや歩行ロボットが飛び出して自宅まで配送するようになるらしい。既に展示会では試験車の提案が始まっている。超えるべき技術課題は多いのだろうが、10年後には、そんな風景が当たり前になっているのかもしれない。



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