《めてみみ》凡事を積む

2018/03/26 04:00 更新


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 ストーンを正確な速度で正確なコースに投げ続けるには、技術以上に体力や筋力が求められる。日本カーリング協会はホームページで、筋力アップや有酸素運動などのトレーニング方法も紹介している。平昌五輪女子カーリング銅メダルのLS北見の選手たちが、タフな試合を笑顔で戦っていたのは、毎日の基礎練習があるからだろう。

 イエローハットの創業者、鍵山秀三郎さんは著書『凡事徹底』で、大きな人生は実践の徹底という小さな生き方以外にはないと説く。誰にでもできるような当たり前のことを、人にはまねできないほど徹底的に一生懸命続けること。鍵山さん自身、社長を務めながら30年以上も会社の掃除を続けた。

 パナソニックの創業者、松下幸之助は財務諸表ではなく、あいさつ、整理整頓、掃除がきちんとできているかどうかで会社を判断したという。凡事を徹底できる会社は優れた会社だという信念からだ。

 誰にでもできる平凡なことでも毎日積み重ねれば人を進歩させる。1年、2年ではわずかでも、10年、20年積み上げた時、人よりも高みに登っている。自分よりはるかにすごいと思う人たちも、毎日が積み重なって大きな差になったのかもしれない。

 今週で年度が終わる。この1年、徹底できた凡事はあるだろうか。凡事を始めるのはやさしい。今日からでも遅くない。



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