「若者の車離れ」というニュースをよく聞くようになって久しいが、実家に帰省するたびに「本当か」と疑問に思う。田舎では通勤も買い物もレジャーも車がなければ何も始まらない。一家に1台というより一人1台くらいはありそうだ。
先日、地方出張した際も飲み屋街では運転代行業者が目立った。シェアリングエコノミーとか言っているのは、東京と一部の大都市だけの話ではないかと思ってしまう。だが、車社会が続いているとはいえ、少子高齢化に拍車がかかる地方都市で従来型のビジネスモデルで成長し続けることが難しくなっていることも事実。
ロードサイドで一時代を築いた大手紳士服専門店も、都心への出店攻勢に切り替えたり、異業種を含めた多角化経営を進めたりしている。AOKIホールディングスはブライダルやエンターテインメント事業に加え、リラクゼーションや保育事業などスタートアップ企業の創出・支援にも力を入れている。
青山商事ではEC時代に対応した新業態「デジタルラボ」が将来的に郊外店に拡大した場合、余分なスペースを新規事業などに有効活用することも可能だという。全国800以上ある実店舗はオムニチャネル化で力を発揮できるとしている。これからは東京など大都市だけでなく、地方都市の郊外立地にも新たな商機があるはずだ。