ユナイテッドアローズが11月末、東京・丸の内に「ビューティ&ユース」を出店した。近隣にはドレス系の品揃えが中心の「ユナイテッドアローズ」もすでにあるが、カジュアル主力のビューティ&ユースにとっては初めての店だ。
オフィス街の商圏である丸の内は、仕事で使える服の需要が強いと思われがち。だが、同社の分析では、ここ数年、周辺の買い物客が求める商品に、これまでとは違う変化が見られるようになったらしい。
変化として大きいのが、男性客がカジュアルな商品を探し、買うようになっていること。オフィスでのドレスコードの緩和が進み、テーラードのスーツやジャケット以外に、簡易な仕立てのセットアップスーツの需要も増えているという。
この流れは、他の小売店も意識し始めているようだ。先月末から今月初めに開催されたセレクトショップ各社の来春夏展でも、メンズのドレスウェアのレーベルやショップの商品で、軽い、一枚仕立てのジャケットとイージー仕様のパンツを合わせるセットアップスーツの提案が多かった。
オンタイムでカジュアルセットアップの着用シーンが広がれば、タイドアップで着るテーラードスーツの需要は減らざるを得ない。商品の付加価値を高める以外に、「仕事だから」とは違う〝着る意味〟を、作り手や売り手は考える必要がある。