《めてみみ》ルミネの挑戦

2017/12/07 04:00 更新


カフェ近くに日本ファッションの入り口としてヤングカジュアルブランドを置く「ルミネシンガポール」

 ルミネが11月25日に海外1号店をシンガポールに出店した。一部を除き、日本の取引先ブランドの商品を同社が買い取り、編集・運営する直営店。同社の新しい挑戦だ。

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 シンガポールは国土面積が東京23区とほぼ同規模だが、大型SCを中心に数多くの商業施設がひしめく。エリアや施設間の競争も激化している。商業中心地のオーチャード地区の大型施設は観光客を含め多くの客でにぎわう。一方、商業集積地から少し離れたエリアの施設はやや活気に欠ける。テナントが埋まらず、空き区画が複数ある施設も目立つ。

 ルミネが出店したSC、クラークキー・セントラルも例外ではない。施設周辺は金融街で、就業者が多い。目の前の川沿いはバーを中心とした飲食街で、深夜までにぎわう。しかし、商業施設はあまりなく、同SCもオーチャードの施設と比べて集客力は劣る。

 社長在任中に出店計画を指揮した新井良亮会長はこうした環境も踏まえ、「あえて商業中心地から離れた場所に出した。オーチャードと比べて家賃が安いことも理由だが、ルミネのパワーで施設に多くの人を集め、エリア全体を活気付けたいと考えた」と言う。 

 海外に初めて進出し、直営事業に取り組み、エリア全体の活性化を目指すのは大きな挑戦だ。日本で積み上げたノウハウがいかに発揮されるのか注目される。



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