20代女性に特化したプロデュースカンパニーのMERY(メリー、東京、藤田欣司社長)は、Z世代(90年代半ばから00年代に生まれた世代)の意識や消費行動の調査を定期的に実施しており、このほど「Z世代の結婚観」についての調査をまとめた。それによると、「女性の9割が結婚式をしたいと思っている」という結果となる一方で、「上司や同僚を結婚式に呼びたい」と回答したのは3%しかいないということも分かった。
リクルートブライダル総研調べで「ウェディングパーティーの実施者は59.6%」と6割程度にとどまる一方で、Z世代女性の44.9%が「結婚式をしたい」と答え、「経済的余裕があればしたい」(36.7%)、「相手が望むならしたい」(8.2%)と条件付きを含めると90%近い人が「結婚式をしたい」と回答した。「したくない/わからない」は10.2%で、結婚式実施の潜在層が数多くいることが分かった。調査結果から「コロナ禍の制限が緩くなってきたなか、結婚式熱が再燃してくる可能性がある」と予想している。
会社の人は呼ばない
結婚式に呼ぶ人(招待者)の基準についての質問では、家族や親しい友人など、近しい関係の人が多く、同じ血縁者でも家族と親族、同じ友人でも特に親しい友人と友人では開きがあることが分かった。上司や同僚を「呼びたい」と回答したのは3.4%にとどまり、同じ職場の人でも「仲のいい会社の人」は25.8%が「呼ぶ」と回答、近しさや仲の良さを基準に招待者を選びたいという傾向が見られた。
結婚式場の理想のロケーションについては、国内の式場が全体の7割を超え、一方で結婚式場以外の場所も1割以上いた。式場以外では公園やガーデン、アウトドア、美術館、テーマパーク、城、カフェ、スタジアム、船、海辺、学校、家など様々。海外は14.6%だった。
小規模×こだわり型
「理想の結婚式」については、「ゲストの負担回避」派と、「小規模×こだわりを詰め込みたい」派の意見が目立つ結果となった。
女性の8割以上が結婚の意向があって、そのうち約2割が法律婚か事実婚かを問わないと回答した。
結婚したい年齢は、最も多かったのが「30歳」で、全体の約4割、最も下の年齢は「24歳」、最も上の年齢は「40歳」。全体の平均は28.8歳で、実際の初婚年齢29.4歳(厚労省調べ)とほぼ同じ。
「結婚に求めるもの」は、「家庭を持つこと」「精神的な安定」が多く、いずれも3割以上が回答。一方、「経済的な安定」は低く、結婚に経済的な安定を求めるZ世代女性は少ないことも分かった。
調査したメリーのZ世代研究所の平山彩子所長は「結婚式はこうしなきゃいけない、というしがらみが減ったことで、結婚式をしたいと考えるZ世代が増えているという点がとても興味深かった。小規模の結婚式でも盛大に、こだわった結婚式をしたいと考えている人が多くいた」と考察した。