メンズインポート21年春夏商戦を占う 秋冬の納期、小売店の仕入れ枠に懸念も

2020/07/06 06:29 更新有料会員限定


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 インポートビジネスの21年春夏メンズ向けの商談が本格化しようとしている。例年だと6月のピッティ・イマージネ・ウォモ展を経て7月上旬に日本の展示会が本格化するが、今回はどのようにビジネスを進めていくのか。有力インポーターに状況を聞いた。

(小笠原拓郎)

 有力インポーターの各社は、21年春夏向けの商談は例年通り7月に開催するところが多い。ただし、オーダーの締め切りをいつもよりも長く取り、8月いっぱいまで引っ張る傾向にある。当然、納期やデリバリーへの影響も懸念されるが、メーカー側と相談しながら対応していく方向だ。

 例年だと、8月はバカンスで稼働しないメーカーも多いが、今年の場合は状況が異なる。ラインを縮小しながらも8月も稼働するという事例もあるようだ。

 5月にプレコレクションの展示会をできなかったため、春夏はプレとメインの展示会を1回で済ませることになる。日本向けの別注企画はテレビ会議でメーカーと打ち合わせたようだが、その内容はこれまでよりも冒険できずに定番寄りになったようだ。小売り側としては、この状況で定番的な需要には在庫で対応して、目新しいものに限ってオーダーしていく可能性もあり、このあたりの需給バランスが焦点となりそうだ。

 また、SDIのようにリモートでのデジタルツールを活用して、新たなブランドと契約したケースもある。ロンドンの「ラブラム」と条件を話し合って春夏から取り扱う。

 秋冬デリバリーの予想では、それほど問題ないという企業と、例年より遅く9月いっぱいまで見込んでいる企業に分かれた。その主要な原因は、原料の流通が乱れのようだ。工場は正常に稼働していても、原料の供給が正常化しないと解決することはできない。

 春夏の小売店の仕入れ枠の予想に関しては、多くが50~70%あたりと見る。しかし、30~40%と厳しい予想もあった。こうした状況下で、買い取りがメインのインポートビジネスだが、一部メーカーと協力して在庫を持つといった対応策も検討されている。ただ、それが常態化すると、仕入れリスクを低減したい小売りが仕入れを抑制していくことにつながりかねない。

質問項目

[1]ピッティも延期となったが、21年春夏の商談はどのタイミングでどう進めていくか。

[2]取引先ブランドの状況、生産稼働状況など春夏生産の見通しは。

[3]例年だと日本向けの別注企画も仕込んでいるが、その状況は。

[4]20年秋冬のデリバリーの見通しや、取引先小売店からのオーダーのキャンセル要請は。

[5]取引先の春夏仕入れ枠は前年実績比でどれくらいになると予想するか。そしてそれへの対応策は。


SDI/余裕を見たデリバリーを前提に

[1]通常はゴールデンウィーク明けにプレコレクションの商談、ピッティやミラノ・ファッションウィークを経て日本の展示会は7月上旬から始めていた。今回はプレコレクションはやらず、7月20日から展示会を開き、ブランドによっては8月から。8月いっぱいかけて密を避けて開催し、オーダーの締めはいつもより遅いがメーカーと話し合いながら。

[2]「グランサッソ」などは今まで通りの状態で稼働できている一方、各社の工場のラインでも感染防止対策をしなければならず、100%フル稼働できていないところもある。生地メーカー、レザーメーカー、部材メーカーなど影響が出て原料の手配に時間がかかっている。プレコレクションもできなかったため、来春夏に向けてはいつもより余裕を見たデリバリーを前提に商談を進める。

[3]3月に出張してメーカーと仕込みをする予定を直前にキャンセルした。今回はより細かいリクエストをレポートで送り、素材や編地を送ってもらってビデオミーティングを進めた。今まで通りとはいかなかったが、今後はよりスムーズにできるようにしたい。

[4]このところプレコレクションのオーダーの比重が高まり、70%のオーダーは11月に終わっていた。ロックダウン前に原料が工場に入り、すでに生産が進んでいたものも多かったため、幸いなことに秋冬デリバリーはほぼ問題なさそう。取引先からキャンセルやディスカウントの要請、納期の変更依頼などがあった。ただ、メーカー側がすでに生産が進行していたものはキャンセルしていない。大変な状況は店、メーカー、代理店も同じなので、リスクをシェアしながら皆で乗り切っていくことが必要だと思う。

 [5]前年比50%か良くても70%を予想している。ただ全てのブランドがそうなるのではなく、消化率の悪いブランドを継続するかやめるかというジャッジが進むと思う。ここ数年のポップアップ需要で代理店も在庫を持つことが増えたので、買い取りだけではなくリスクを張り一部委託のビジネスも考えている。

赤峰健介執行役員本部長
21年春夏からスタートする「ラブラム」、20年秋冬からは「ルー・ダルトン」も輸入販売するなど英国関係の商材が増加

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