27年春夏シーズンの幕開けとなる欧州メンズファッションウィークが間もなく開催される。フィレンツェのピッティ・イマージネ・ウオモからミラノを経てパリへと続くスケジュールの中で、各都市で日本の若手ブランドが登場するのがポイントで、話題を集めそうだ。現地通信員による各都市の見どころを紹介する。
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フィレツェ ピッティ・ウオモに700以上のブランド
6月16~19日、イタリアのフィレンツェで開催される「第110回ピッティ・ウオモ」には、700以上のブランドが出展する。テーマは「ピッティ・プール」。
同見本市で必見のスペシャルイベントやプロジェクトでは、スペシャルイベントとして「シモーン・ロシャ」が、メンズのみのコレクションを初めて発表する。アイルランドと香港という二つのルーツを持つデザイナーの詩的なビジョンとフィレンツェの歴史的背景がどう交錯するかに期待が集まる。
「DSMケイ・ニノミヤ」は、メンズコレクションをショー形式で発表する。同ブランドは、ドーバー・ストリート・マーケット(DSM)が26年春夏からスタートしたプライベートレーベルで、二宮啓がデザインを手掛ける。ショーは、旧サントールソラ修道院で開催する。


また、LVMHヤングファッションデザイナープライズのファイナリストにもなった韓国人デザイナー「ジヨン・キム」もスペシャルゲストとして登場。衣服を太陽光にさらす「サンブリーチ」技法による実験的アプローチが特徴だ。伊トリエステの若手コンクール「イッツ・コンテスト」で、「ピッティ・イマージネ・アワード2026」を受賞したウィリアム・パーマーもイベントを開催。すでに日中韓に扱い店舗のあるブランドだ。
「ハイ・ビューティー」は、ビューティー製品に特化したコーナー。特に香水はコンセプトショップなどから「店やブランドの体験をより豊かなものにする」と、リクエストが多いという。
(高橋恵通信員)
ミラノ 新世代のデザイナー支援に力
6月19~23日にミラノで開催される27年春夏向け「ミラノ・ファッションウィーク・メンズ」では、計75のショーや展示会が開催される。内訳は、フィジカルショー16、デジタルショー6、展示会46、スペシャルイベント7。
最も注目を集めているのは、「トム・ブラウン」のミラノ公式カレンダーでのショーデビュー。その他、「ガルシアス」「マーティン・クアッド」「シンヤコヅカ」も公式カレンダーで初のショーを行う。
シンヤコヅカは今年1月のピッティ・ウオモでスペシャルイベントプログラムのデザイナーとしてショーを開催し好評だった。



同ファッションウィークを主催する伊ファッション評議会は新世代デザイナー支援に力を入れているが、今回はソッツァーニ財団に専用スペースを設け、ブランド設立10周年を迎える「プロナウンス」の他、「ドメニコ・オレフィチェ」「サイモン・クラッカー」「マーティン・クアッド」ら若手がショーを開催する。
「ジョルジオ・アルマーニ」はレオ・デッロルコとシルヴァーナ・アルマーニが、27年春夏メンズと27年ウィメンズクルーズコレクションを共にショー形式で発表する。
(高橋恵通信員)
パリ 発表の密度や伝達力を問い直す
パリ・メンズファッションウィークは、参加メゾン数が74と前年から増加した。一方で、発表形式はショー36、プレゼンテーション38と拮抗(きっこう)する。市場環境が不透明さを増す中、ショーの規模や演出を競うだけでなく、バイヤーやメディアとの接点を重視した発表形式を選ぶ動きも広がっている。限られた投資の中で、発表そのものの密度や伝達力を問い直す流れも見え始めた。
その中で、誰が新たな男性像を描くのかが注目される。「ディオール」はジョナサン・アンダーソンによる2回目、「ジバンシィ」はサラ・バートンによる初のメンズ、そして「ランバン」はピーター・コッピングによる新章を迎える。一方、ショーでは「セリーヌ」と「ヘド・メイナー」が公式カレンダーに復帰する。ラグジュアリーメゾンが相次ぎ新たなクリエイティブ体制へ移る中、男性像の再構築が一つのテーマとして浮かび上がる。
「エルメス」は27年1月に発表予定のグレース・ウェールズ・ボナーの初コレクションを前に、プレゼンテーション形式を選択。次章を前にした過渡的なシーズンとなる。
こうした再編の流れの中で、日本ブランドの存在感が会期全体に浸透している。初日に「キディル」「オーラリー」がショーを開催し、最終日には「サカイ」「ダブレット」「ベッドフォード」が控える。中でも最終日前日には初参加の「ソウシオオツキ」のショーが待たれる。



(松井孝予通信員)
