「フェティコ」(舟山瑛美)は、東京・新宿区の淀橋教会で27年春夏のショーを単独で行った。仏写真家のサラ・ムーンの作品を着想源に、女性の体の造形美をあいまいに表現するフェティコらしさを多面的に見せた。
全体を象徴するのは、余韻を残すような陰影のあるレイヤード。滑らかでドレープ性の高いシアー素材を生かし、緩やかに落ちるシルエットを繊細に出す。ウエストにギャザーを寄せたタンクトップは、細かいドレープの陰影とともに、深く落ちるネックラインが目を引く。スーツ素材を使ったロングスカートを合わせ、官能性としとやかさが交じり合う。シンプルなキャミソールドレスにはブラとショーツをかたどった切り替えが入る。白地のインナーに重ねて、奥ゆかしさのある魅力を感じさせる。

体そのものをどう装飾するか、生地の特性とモチーフの生かし方に磨きがかかった。リブニットのドレスは、リブのピッチが切り替わってプリーツ状に伸縮し、花柄プリントがぼんやりと映る。ペーズリー柄のリバーレースを使ったドレスやジャケットがふんわりと素肌を彩る。レザーのキャミソール、テーラード仕立てのコートは、フロントを花のモチーフでカットアウト。官能性やフェミニンさにとどまらない、強く生きる女性像を描く。

(須田渉美)
