デザイナーの宮本葉月が手掛ける「メッキ」は昨秋、東京・東急プラザ銀座店の3階に初の直営店を開設した。コントラストの利いたテクスチャー、シルエット変化の豊かな洋服が映える売り場を作り、国内外から来店するふり客を購入に結び付けている。
売り場面積は154平方メートル。コンクリートの床に、工事現場の足場に使う金属板で什器を設置し、開放的でインダストリアルなムードの空間を作った。20年にブランドを始めた当初から「作って満足ではなく、コミュニケーションが取れる売り場を持ちたいと考えていた」と宮本は話す。
卸売りと催事販売で着々と実績を上げ、5年目を迎えるにあたって出店を検討していたところ、デザイナーブランドに特化した館を目指す東急プラザ銀座店から声がかかり、最初に売り場が決まった。
品揃えは、定番商品と、人気モデルをアップデートした商品で構成した。ラッフルをアシンメトリーに重ねたノースリーブのブラウス、ピンクのスパンコール素材を使ったキャミソール、右肩に大きなリボン装飾を付けたMA-1など、上質感のある生地をぜいたくに使い、ドレッシーでシーズンを問わずに着用できるアイテムを集約して、ブランドの世界観を伝えている。ブラウス6万円台~、ドレス10万円台で、日本人に限らず、欧米人を中心としたインバウンド需要が多いという。