縫製大手のマツオカコーポレーションが13日、東京証券取引所第1部に上場した。14日、広島県福山市の本社で松岡典之社長が会見を開き、「世界の縫製・OEM(相手先ブランドによる生産)業でいえば現在の売り上げ規模は世界で12位。3年でトップ10に入り、その次にはトップ3、連結売上高で1000億円にしたい」と抱負を語った。
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今回の上場で調達した資金を使いバングラデシュでのインナー生産、ベトナムのフートマツオカ、ミャンマーでのワーキングウェア工場を増設する考え。フートマツオカは現在の売り上げ10億円を3年で50億円と大きく引き上げる計画。加えて、7月にベトナム・ホーチミン近郊に開いたスポーツ・アウトドアのラミネート加工の新工場、JDTは50億円にする。こうした施策で3年後には売り上げで750~800億円、営業利益で50~60億円を狙う。将来的には三つの新工場も検討している。
同社は20年前に上場を計画していたが、「アジア通貨危機などの影響で断念した。これからさらに成長するには工場の増強、設備投資が必要」と20年越しで上場にこぎつけた。また「知名度を上げることで優秀な人材を確保したい。繊維業界にはなかなか良い人材は来てくれないが成長する企業には夢があり、人は集まる」と見ている。この間控えていたベトナムやミャンマーといった外国人研修生の採用を再び増やし、「将来、彼らの母国で工場の幹部になって欲しい」と人材を育成する。
今期(18年3月期)の通期連結業績予想は、567億7600万円(前期517億5800万円)、営業利益36億円(41億2200万円)、経常利益は38億5600万円(40億7000万円)、純利益25億6800万円(25億5400万円)。