松屋銀座本店と阪急メンズ東京が相互送客を強化 優待サービスを全カード会員に

2022/10/06 06:27 更新


両店の間を人力車で移動するサービスを8、9日に実施する

 松屋銀座本店と阪急メンズ東京は相互送客の協業を強化する。優待サービスの対象を10月5日から、これまでの両店で6万人の外商顧客だけでなく、ほぼ全ての自社カード会員に広げた。銀座・有楽町エリアの活性化や顧客ロイヤルティーの向上に結び付ける。

(松浦治)

 相互送客は18年から、共同で取り組んでおり、協業による両店の年間総売り上げが現状で8000万円に達している。互いの強みである商品、サービスを提供し、割引優待することで顧客満足度を高める。

 ラグジュアリーブランドでは、松屋はレディス、阪急はメンズに強みがあり、今回の対象拡大で男女ペアで同一ブランドの優待を受けることが出来る。例えば松屋にレディスがあり、阪急にメンズがあるのは「グッチ」「サンローラン」「ジル・サンダー」「セリーヌ」「フェンディ」「プラダ」など約35ブランドあり、買い回り性を向上させる。

 カード会員数は松屋銀座本店が26万人、阪急メンズ東京が12万人の計38万人で、相互送客を通じて互いの新規の顧客化につなげる。優待対象の拡大で、相互送客による両店の年間総売り上げは23年度に2億円、24年度に5億円を見込んでいる。

両店の社員が顧客を出迎える(松屋銀座本店)

 割引優待だけでなく、特別感あるサービスを相互で受けられるようにする。松屋は婦人靴のシューフィッター、寝具のスリープアドバイザーなど様々な有資格販売員が買い物をサポートしており、阪急はパーソナルスタイリストが松屋まで同行し、接客を行うショッピングパーソナルサービスの対象を広げる。

 インバウンド(訪日外国人)でも協業を強める。入国制限の緩和を受け、9月上旬から訪日客向け施策を共同で実施している。それぞれの店舗で付与された「ウィーチャットペイ」ポイントとの交換で取得できる共通クーポンを発行する。会社をまたいで共通利用できるクーポンの発行は国内で初めてとなる。今後も12月にクリスマス時期のイベントを共同で企画するなど、取り組みを強化する。



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