「まとふ」20~21年秋冬 藍の深みで趣ある表情

2020/04/14 10:58 更新


 国内外の手仕事の現場を訪ねる旅を言葉と映像で伝える「手のひらの旅」に取り組む「まとふ」(堀畑裕之、関口真希子)は20~21年秋冬、徳島県に着目した。地域に根差す物作りを生かし、自然が生み出す美しさを融合したテキスタイルでモダンなワードローブを揃えた。

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 テーマは「循環する命」。自然の恵みを生かし、資源を再活用し、自然に還元する手仕事の魅力に向き合う。20年春夏に続き阿波藍の産地を訪ね、タデアイの葉を発酵させた染料、すくもを作る工程や生産者と地域社会の関わりを動画にまとめた。

 新作で目を引くのは、ぬくもりを感じさせるテーラードアイテム。東京・青梅市の壺草苑で、徳島のすくもを使って藍染めしたウール糸を経糸に、グレーの糸を緯糸にメランジ調の生地を作り、メンズライクなジャケットやスラックスを柔らかに表現した。ブラウンの糸を緯糸にした生地もある。シャンブレー風の深みのある色が大人っぽさをプラスする。

メンズライクなジャケットが柔らかな印象に

 今回はさらに、林業で栄えた徳島県上勝町を訪れ、間伐材を加工した木の布「キノフ」に出会う。杉をチップにして和紙を作り、糸にして織った布を藍染めしてジャケットを作った。藍の深みが趣ある表情を作り、洗濯を重ねると、くたっとして柔らかさが増していく。

 「藍は染まるのではなく、糸の間に宿っていると感じます。その魅力に引き付けられて本藍染めの製品を選ぶ人は増えているし、愛着を持つきっかけを作っていけたら」と堀畑。

グラフィカルなジャカードのパンツを組み合わせると、スマートな女性らしさが際立つ


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