マニアが買い集める予約制ビンテージ店「西田商店」 「自分の好きなもの」が本業を救う

2024/09/02 11:30 更新


内装はほとんど手作りだ

 アパレル雑貨の企画製造卸のマグネット(大阪市、西田雅彦社長)は24年5月、完全予約制のビンテージアイテム店「西田商店」を開いた。21年からネットショップ開設サービス「ベイス」で同店のECショップを開いているが、順調に売り上げが伸びており「実物を見て確かめられるように」と実店舗を併設した。

(津田茂樹)

 ショップを始めたのはビンテージアイテムコレクターの西田社長が本業の資金に苦しみ、古着など私物のコレクションを販売したことによる。自分の好きなものの売り上げが、本業を救うほど高かったことから、自分の目利きで商売ができるのではと思い付いた。完全予約制にしたのは店舗運営を西田社長が一人でしているから。そのため店舗はマグネットのオフィスと同フロアにある。

 販売アイテムは70~90年代のTシャツ、「リーバイス」のビンテージジーンズや商業ポスターなど。価格は状態や希少性によってまちまちで、数万~数十万円の値が付く。平均単価は3万円前後。

社長が直接仕入れ

 仕入れは20年来の知人でもある、米国の古着ディーラーを通じたものと、西田社長自らが渡米して直接仕入れるものがある。仕入れのポイントは、他で見られなくなってしまったデザインと「自分の好きな物」だ。

 Tシャツは全て、米国企画・生産品。アップルやマイクロソフト、マクドナルドなど米国文化を代表する企業のスタッフやイベントユニフォームなどが中心。企業Tシャツ以外では映画、ロックバンドのモチーフや、『美少女戦士セーラームーン』『もののけ姫』など日本のアニメで許諾を受けたものも多い。中には日本でもめったに見られない日本のB級映画をモチーフにした米国製もある。最近は芸人がテレビ出演用に買いに来店することもある。

日本では見られないキャラクターや希少なデッドストック品も

豊富な品揃えで

 ポスターは、70年代のシルクスクリーン製が多い。故人となった知人のコレクターから引き継いだものだが、マニアが、「日本でこれほどの数を販売しているのは見たことがない」と太鼓判を押し、大量に買いあさっている姿も珍しくない。

 今後はファッションビルなどに期間限定店を出すほか、西田商店のビンテージアイテムから着想を得た別注Tシャツの企画・製造をマグネットで受け付けたいとしている。



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