LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン・ジャパンは、優れた職人技の継承と発展を目的とするLVMHメティエダールと、デニム製造のクロキ(岡山県井原市)のパートナーシップ締結を発表した。この取り組みは22年12月に日本の活動拠点としてLVMHメティエダール・ジャパンを設立して以来、日本初のパートナーシップとなる。これを皮切りに日本での提携を活性化させる。
LVMHメティエダールは15年設立。牧畜をはじめ、なめし加工、金属加工、繊維やファブリック生産など、さまざまな物作り産業における事業の成長と活性化を目標とする。ラグジュアリー製品作りに不可欠な優れた技術とサヴォワールフェール(匠の技)の継承・発展に重きを置き、世界のプレーヤーとの戦略的な提携や投資を行っている。今回は、このクラフトマンシップの集合体に、日本が誇るデニムの生産技術と職人が加わることとなった。
クロキは1950年創業。創業当初から、デニムの染色と織布に専念してきた。伝統的に集積された技術と最新技術の融合を図りながら、クラフトマンシップの限界と向き合い、新しいデニムの開発・創造を続けている。
LVMHメティエダールとクロキは、日本のデニムは唯一無二の存在であるという共通認識のもと、手を組んでデニム生産におけるクラフトマンシップを未来に継承し発展させることを目指す。さらに、卓越したデニム生産全体の活性化と発展を志すとともに、創造性と革新性を高めた高品質な素材作りを目標とする。
このパートナーシップを通じて、クロキとLVMHグループに所属するブランドとの関係が強化されるだけでなく、LVMHメティエダールのコミュニティーに属する職人たちとの垣根を超えた技術的交流や協業など、可能性の広がりを期待する。
クロキの黒木立志社長は、「真摯に物作りに取り組んできた私たちの思いが届いたことに大きな喜びを感じています。パートナーシップを通じて、メイドインジャパンの高いクオリティーと魅力がさらに世界に向けて発信されることを期待する」という。
LVMHメティエダールのマッテオ・デ・ローサCEO(最高経営責任者)は、「クロキの技術力と想像力が、LVMHメティエダールのマニュファクチャーや職人たちのコミュニティーに多くのシナジーをもたらすと確信しています」と語る。